コラム
口内炎が痛い!口腔外科で診てもらおう
口の中にできるとツラいことが多い口内炎ですが、基本的には自然に治ると思っていませんか?しかし、「ちょっと治りが遅いな」「何度もできる」という方は口腔外科のある歯科医院やクリニックを受診すると良いでしょう。
今回は、口内炎に関するお話です。
口内炎とは
口内炎は、口内の粘膜に起こる炎症の総称です。頬や唇の裏の粘膜、喉、舌をはじめとした口内のあらゆる部分に起こり、痛みや不快感によって食事がツラくなって億劫になったり、気持ちが落ち込んでしまって生活の質が低下してしまうこともあります。
口内炎の種類
アフタ性口内炎
アフタ性口内炎は、口内炎の中でも罹患率が一番高いと言われています。円形(もしくは楕円形)の白っぽい潰瘍ができ、大きさは様々です。免疫の低下やストレス、栄養不足、口内粘膜の損傷(いわゆる”噛んだ”ときなど)、全身性疾患の症状として現れることがあります。なお、何度も再発する場合には「再発性アフタ性口内炎」と呼ばれます。
カタル性口内炎
虫歯や入れ歯の不具合、口腔内の損傷、火傷、薬品の影響などによって起こります。口腔内にできた水疱が潰れて潰瘍になります。良性の潰瘍であっても、治るまで痛み続けるため、ストレスや不調の原因となります。
ウイルス性口内炎
細菌感染が原因で起こる口内炎です。赤くただれて「びらん」が起こります。なお、カンジダ性口内炎の場合、白い海苔状の斑点ができてしまうことが特徴です。
アレルギー性口内炎
特定の食べ物や薬品、金属などによって口腔内の粘膜に炎症が起こります。ご自身のアレルギーを把握しておくことで防げることがほとんどなので、意識しておきましょう。また、金属アレルギーの方は歯科治療の前にお伝えください。
ニコチン性口内炎
口の中の粘膜や舌に白い斑点のようなものができます。喫煙が原因とされていますので、極力控えるようにしましょう。喫煙者の近くにいる方も注意が必要です。
口内炎が悪化する仕組み
口内炎が悪化する仕組みには次のようなものがあります。
①ビタミン不足や疲労、ストレス、ウイルス感染、外的刺激などによってタンパク質分解酵素の一種である「プラスミン」が発生します。
②「プラスミン」が増え続けることによって、炎症の元となるヒスタミンや痛みのもとが出てきて、血管を拡張します。
③炎症を起こすと血管からこれらの物質が漏れやすくなり、むくみや痛みが起こります。
④炎症が続くと、粘膜の表面がただれてしまい「びらん」のようになります。
⑤さらに、④でただれた部分がえぐられてしまい、口内炎になります。
治療法
口内炎の治療法には、主に3つの方法があります。
食生活を整える
不規則な生活などによって食生活が乱れると、ビタミンなどの栄養が不足したり栄養バランスが乱れます。その結果として口内炎ができてしまうことがあります。口内炎ができた時には、食生活のバランスを見直しましょう。
市販の軟膏や栄養剤を活用する
最近では、口内炎ができた時に塗る軟膏が販売されています。初期段階であればこういった薬剤を塗ることで、治療まではできずとも通院までの抑制になります。また、ビタミンを中心とした栄養剤を飲むことで緩和することが期待できます。
レーザーによる治療
前述した方法による治療で治らない場合や、重症化している場合には、歯科医院やクリニックでレーザー治療を行うことができます。ただし、レーザー治療を行う口内炎はかなり重症な状態と言えますので、そうなる前に治すよう心がけましょう。
長期間治らない場合はすぐに受診を
口内炎は、「すぐにできるから」「様子を見たら治る」と放置するのはとても危険です。口内炎をきっかけに重篤な病気になっている可能性もありますので、口腔外科の受診をオススメします。かかりつけ医や口腔外科への受診で、確実に口内炎治療を行いましょう。