コラム
歯周病を治したい!どんな治療方法があるのか見ていきましょう。
歯周病とは、歯の周りの歯ぐきや歯を支える骨などが破壊される病気です。歯と歯ぐきの境目(歯周ポケット)に細菌が入り、歯ぐきが炎症を起こして赤く腫れて、歯磨きの時に出血します。しかし、この時点では痛みはほとんどありません。歯周病がさらに進行すると、歯ぐきの中にある歯を支えている骨(歯槽骨)が溶けて、歯ぐきから膿が出たり、歯がグラグラしてきます。そして最後には、歯が抜けてしまうのです。
こんな症状はありませんか?
歯周病の特徴は下記のような症状です。これらの症状がある場合は、歯周病の疑いがあります。
朝起きたとき、口の中がネバネバする。
- 口臭が気になる。
- 歯ぐきが赤く腫れている。
- 歯磨きすると出血する。
- 歯ぐきがむずがゆい、痛みがある。
- 歯と歯の間に隙間が出来てきた。
- 歯が長くなったような気がする。
- 硬いものが噛みにくい。歯がグラグラする。
- 前歯が出っ歯になってきた。
歯周病の原因は何でしょうか?
お口の中には、およそ400種類もの細菌が住んでいます。これらは普段、あまり悪いことをしませんが、歯磨きが充分でなかったり、砂糖を過剰に摂取したりすると細菌がネバネバした物質を作り出して、歯の表面にくっ付きます。これを歯垢(プラーク)と言います。
歯垢1mgの中には10億個の細菌が住み着いていると言われていて、虫歯や歯周病を引き起こします。細菌の中で歯周病を引き起こすのは、ポロフィロモナス・ジンジバリス・プレボテーラ・インターメディア・アクチノバシラス・アクチノマイセテムコミタンスなどの10種類以上が知られています。また、歯垢は粘着性が強くて、うがいをした程度では落ちません。
この歯垢の中の細菌が歯ぐきに炎症を引き起こし、やがては歯を支えている骨を溶かしてしまいます。さらに歯垢は、取り除かなければ硬くなり、歯石と言われる物質に変化して歯の表面に強固に付着します。その中や周りに細菌が入り込み、毒素と言われる物質を出し続けます。このような状態になると、もう歯磨きなどでは取り除くことは出来ません。
また、次のこれらの点も歯周病を進行させます。
- 歯ぎしり、くいしばり、噛みしめ
- 食習慣
- ストレス
- 不適切な被せ物や入れ歯
- 喫煙
- 全身疾患(糖尿病、骨粗鬆症、ホルモン異常など)
歯周病は治るのでしょうか?
現在では、歯周病は予防も出来ますし、治療も可能です。大切なのは、予防・診断・治療、それに加えてメンテナンスです。近年、歯周治療は急速な進歩を遂げました。以前は不治の病とさえ言われていた歯周病も、現在では進行を阻止することが可能になり、健康を取り戻すことが出来るのです。何よりも、歯周病の原因は歯垢ですから、歯垢を溜めない・増やさないことが大切です。
歯周病を治すために、下記のことを実行しましょう。
正しい歯磨きの方法を毎日実行する。
- 歯ぐきの中まで入り込んでいる歯石を完全に取り除き、炎症を引き起こす細菌を徹底的に除去する。
- 傷んだ歯ぐき・骨を治療して、健康に近い状態にする。
- 健康の保持のために、歯科衛生士による専門的なクリーニングなどのメンテナンスを定期的に受ける。
歯周病の恐ろしい点は、初期や中期には痛みをあまり感じることがなく、症状がどんどん進んでしまうことです。
痛みや腫れの症状が出てくるのは末期になってからで、そうなるまではほとんど自覚症状がありません。これが歯周病の最大の特徴で、一番恐ろしいところです。
メンテナンスの必要性
歯周病は再発の多い病気と言われています。治療によって症状が改善したとしても、一度溶けてしまった骨が元通りになったわけではありません。ほとんどが歯と歯ぐきの弱い結合で治っている状態にすぎません。
欧米では歯周病を「静かなる疾患」と呼びます。この呼び名の意味は、患者様自身が再発や進行を自覚することは困難であるということです。歯を失わないためにも、定期的に歯科医院でメンテナンスを受けることがとても大切です。
当院では、わかりやすく丁寧に、正しい歯磨きの指導をいたしております。