コラム
根管治療を知っていますか?治療法や流れを解説!
虫歯を放置してしまって、「抜歯しかない」と言われてしまったことはありませんか?しかし、歯を残して治療できる可能性はゼロというわけではありません。それが、「根管治療」です。
審美性や機能性まで回復することが期待できる「根管治療」とはどんなものか、治療法や流れを解説します。
根管治療とは?
根管治療の「根管」とは、歯髄(しずい)と呼ばれる部分のことを指します。根管には、神経や血管が通っており、歯に栄養や水分を供給しているところでもあります。
根管治療では、歯髄まで入り込んでしまった細菌(虫歯菌)を除去し、痛みや腫れといった症状を取り除く治療を行います。
根管治療の方法
根管治療には、主に4つの方法があります。
①抜髄(ばつずい)
抜髄は、根管治療の最初の治療と言われている、歯髄炎と呼ばれる歯の痛みを改善するための治療です。歯髄炎は、虫歯の原因菌が歯髄に感染してしまったりすることで歯髄を刺激することで起こる炎症です。この炎症を抑えなければ、痛みが何度も再発してしまうため、根管治療が成功するかどうかにも影響を及ぼします。
②感染根管治療
歯髄炎が進行すると、歯髄が壊死して腐ってしまいます。この状態を「感染根管」と言いますが、この壊死してしまった歯髄とその周りの歯根を掃除しなければ、歯根膜炎や歯根嚢胞といった病気になる可能性があります。
感染根管に対処するには、壊死して腐ってしまった状態の歯髄とその周りの歯根を掃除して、綺麗な状態にしなければなりません。
感染根管には「慢性期」と「急性期」の二つの段階があり、それぞれによって体調に悪影響を与えます。そのため、「感染根管治療」は確実かつ早急に行わなければなりません。
③再根管治療
再根管治療は、過去に根管治療を行った場所で再び炎症が発生した場合に対処する治療です。原因は、以前の治療時に歯根に残っていた細菌が繁殖しているものであるため、それらを綺麗にすることで根管内を清潔な状態で保ちます。
根管治療の流れ
根管治療は、一般的に5〜6回ほどの治療を行うことが多いと言われています。もちろん、患者様のニーズによって変動はありますが、ケースによっては1年ほどかけて治療を行ったケースもあるようです。
治療は、次のような流れが一般的です。
①口腔内の診察・検査
まずは、お口の中全体の状況を検査によって判断します。痛みを感じている部分だけでなく全体を見ることが重要です。
レントゲンやCT撮影によって、見えない部分もしっかりと診察していくことで、患者様への情報提供がやりやすくなります。
②カウンセリング
詳細な検査結果のデータと医師の診断を元に、患者様の口内環境の現状をお伝えします。その上で、どのような治療が必要か、期間や費用などについてお話しします。
最終的には患者様の判断になるため、最適な決断ができるサポートを行います。
この時、痛みを感じておられる場合には消炎処置によって痛みを和らげます。
③根管治療開始
患者様の口内環境や状態によって進捗は変動します。それぞれに合わせた、無理のない治療を行います。
④土台作り
治療が完了したら、歯の破折を防ぐことや細菌感染を防ぐために仮歯をつける処置を行います。
⑤経過観察
定期的に経過観察をすることで、治療後の歯に問題がないかチェックします。
この流れはあくまでも基本的なものなので、詳しい内容等はお近くのかかりつけの歯科医院等にご相談ください。
いつまでも健康な口内を保つために
根管治療の最大の目的は、健康な口内を保つことです。患部をしっかりと治療することで他の健康な歯への影響を最小限に抑え、末長く自分の歯で噛める状態作りをすることが、何よりも大切なのです。
当院では、患者様に合わせた治療をご提案しておりますので、お気軽にご相談ください。